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両親の育児にいま一度感謝

晴れた公園で手をつなぐ三世代家族
晴れた公園で手をつなぐ三世代家族

里帰り出産で娘が帰ってきた。私にとっては孫(2歳男子)と数カ月過ごし、子育てにかける手間暇と親の苦労が身に染みた。

とにかく活発な子だ。ひとときもじっとしていない。小山のある広い公園がお気に入り。滑り台への階段を全身を使って上がっていき、4台ある滑り台をスルスル下る。次は、小山の斜面を必死に登り切り、展望台に上がったり降りたり。

雨の日は3階建ての県立児童会館に行き、滑り台やら木のおもちゃやらで好きなように遊ぶ。家では絵本を「読んで、読んで!」とせがむ。

筆者以上に大変なのはもちろん娘。身重の体でおむつを替え、食事を与える。第2子を出産した後は、2時間ごとの授乳に加え、男の子と向き合う時間がある。筆者の妻もかなりの時間、世話をするのだが、それでも大変だ。

翻って、筆者の子育てを思い返すと、夜泣きする子供をおんぶして星空の下であやしたとか、中耳炎になって医者に駆け付けたなどの記憶はあっても、孫の世話のような大変さはなかった。出産前後に筆者の母親がいてくれたことと、夫婦共に無我夢中だったことが大きい。

子供が自殺したり、親に暴力を働いたりしたニュースを見ると、「親は24時間365日こんなにあなたに手をかけて育てたのに、どうして?」と思う。母乳や食べ物をもらい、おむつを替え、安心して眠る場所がなければ、子供は死んでしまうのだ。

確かに、育て方に問題がある親がほとんどだろうけど、一人で生きていけるようになるまで「私」を育ててくれた親には感謝しかない。特に、ウクライナや政情不安定な国で飢えや恐怖におびえる子供たちを見ていて実感する。

全国各地の学校で、赤ちゃんを抱っこし母親の話を聞く授業が行われている。少子化の今日、貴重な体験だ。

(春)

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