あいさつ習慣の違い フィンランドから

先日、久しぶりに会った友人に「お元気ですか」と英語でお決まりの「ハウ・アー・ユー?」と聞いたら、「フィンランド人には、お元気ですかと聞くと、戸惑いが生じるのだ」と教えてくれた。

外国に慣れた人ならば「元気だよ」と即答するが、一般の人にとって「お元気ですか」という言葉は、具体的に自分が元気なのかどうか、自分自身の状態を考え、その上で、きちんとした答えをしないといけないと考えるのだそうだ。

確かに、フィンランドの人たちの多くは「ハロー」、フィンランド語では「モイ(Moi)!」という簡単なあいさつが多く、「元気ですか」と聞くことはほとんどない。「モイ」というあいさつも、友人宅などに入るときには使うが、職場や教室などの親密な場所であっても、公共の場所に入る時には何も言わないのが通常だ。

数年前に別の知人が話してくれたことを思い出した。彼は、米国での仕事が終わりフィンランドに戻ってきた。仕事始めの日、米国でやっていたようにオフィスに入るや否や「おはようございます」とあいさつしたが、あいさつを返した人は誰もいなかったと笑いながら話してくれた。

フィンランド人は、特に個人的に知らない人に対しては、礼儀正しく、相手に迷惑をかけないように気を使うため、自然に距離を置くし、たとえ近所の人でも話しかけられることはほとんどない。つまり、友だちか、他人かという観点で見るのだ。(Y)

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