【上昇気流】 (2023年6月6日)

UnsplashToa Heftibaが撮影した写真

自宅最寄り駅前の喫茶店に入ると、珍しく常連の高齢者3人が話し込んでいた。いずれもよく見掛ける80近い男性だが、普段はそれぞれ本を読んだり、クロスワードをしたりで、言葉を交わしたりはしない。この日初めて会話したような雰囲気である。

話していることといえば、ローカルな世間話。近くの総合病院では、新型コロナウイルス蔓延(まんえん)以前は、外来患者も利用できる食堂があったが、今はやっていないなど。地元密着情報で話題は尽きない。

NHKの「世界ふれあい街歩き」で、よく町のカフェに老人たちが集まって、楽しくくつろいでいるのを見る。フランスやイタリアなどラテン系の国に多いようで、老人たちはその町に古くから暮らしており、みな子供の頃からの知り合いというケースが多い。その気の置けない開放的な雰囲気には独特のものがある。

老人たちが集まって世間話をするような場所は、日本には少ない。田舎にはそれなりにあるのかもしれないが、都市部では介護施設以外にはまずなさそうだ。

都市部の場合、地域との繋(つな)がりの薄さは長く住んでいる人でも例外ではない。一人住まいの老人ともなると、普段はごく限られた友人と電話で話をするくらいになってしまうだろう。会話AIロボットなどが売り出されるのはそのためなのか。寂しい話だ。

そんな時代だから、喫茶店で知り合ったあの3老人も、いい話し仲間になればと思う。コーヒー飲み合うも他生の縁である。

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