
このところ雨模様の日が多い。気が早いようだが、梅雨入りの季節が近いのかもしれない。気象庁は、18日と発表された沖縄地方の梅雨入りが、昨年よりも14日遅いとしている。
関東甲信地方は、今のところ平年並みの6月6日前後に落ち着きそうだ。5月はツツジの見頃で、全国各地の名所が観光客でにぎわっているが、もう少し経(た)てばアジサイがその姿を見せる。アジサイは「七変化」という別名があるほど花の色が変わる。
色の変化は、土壌の酸性度の違いによる色素の状態や老化現象などが原因。ただ、雨に濡(ぬ)れて色が落ちて変わっていくようにも見える。その点では、不思議なほど梅雨の時期に合っている。
色が一定していないアジサイは、情緒が不安定なイメージがある。ちょうどこの時期になりやすい五月病と重なるものがある。
かつては、新入生や新入社員によく見られた。しかし今では年齢に関係なく、中高年でも転職や人事異動など環境の変化によってなることもあるようだ。急激な変化についていけずに、ふっと揺り戻しのように適応不能状態になってしまう。春から夏への変わり目、気温の変化などが心身に影響しているという話もある。
ストレスなどの精神的な不調によって、5月や6月は自殺する人の数が多いという指摘もある。まだ全容が解明されてはいないが、歌舞伎界を揺るがしている市川猿之助さんの事件も、この時期と無関係ではない気がする。