首都ヘルシンキから北西に270キロの地点にあるニーニサロ村に、約2200人の部隊が集結し、1日から14日まで、「アロー23」と呼ばれる大規模な軍事演習が行われている。
フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟したこともあり、米国、英国、バルト3国からの部隊も参加。厳しい戦闘状況での機甲部隊運用、多国籍環境での戦闘能力向上が演習の目的だ。
国内参加の多くは予備役となる徴集兵だ。彼らの多くは、高校を卒業した大学入学前の若者で、9カ月間の訓練を受ける。同盟国の兵士と一緒に訓練を受け、徴集兵の質の高さをチェックできる機会とも言われている。
参加している同盟国の兵士たちのフィンランドに対する感想は、まず、雪も時々ちらつく5月の肌寒い天候には驚いたとのこと。しかし、食事は自国の軍事演習時での食事と比べたら美味(おい)しいという声が多く、特にエンドウ豆のスープと手羽先には高い評価が集まった。
一方であまり人気がないのが、なんとフィンランド人が好むサウナと、サウナ後の氷が張った湖でのスイミングだという。特に米軍から参加している兵士たちは、「これは何かの冗談か」と思ったという感想には、笑わずにはいられなかった。
フィンランド軍には戦場でも使用できるテントの簡易サウナがあるのだ。フィンランドの徴集兵たちにとっては激しい軍事訓練中、疲れを癒やすひとときのくつろぎの場なのだが…。(Y)