【上昇気流】(2023年5月10日)

地震で破損した焼き窯(写真右)と窯元の玉置仁一社長=7日午前、石川県珠洲市

「災害は忘れたころにやってくる」の教訓は生きているが、石川県珠洲市を襲ったマグニチュード6・5、震度6強の地震は、約2年前から断続的に続く地震(群発地震)の中で起きた。

珠洲市は三方を海に囲まれ群発地震が多い地形ということもあるが、高い自主防災意識と念入りな防災対策で知られる。市の防災計画書には「自らの身の安全は自らが守る」「自らの地域は皆で守る」を掲げ、地震に強い市をうたっている。

特に学校教育の場では、地域の危険箇所の具体的な確認や登下校中、在宅の際の災害対処などについて実践の時間を設けている。大人たちも知らん顔はできない。防災訓練は毎年行われ、約1万3000人の人口で昨年は約2500人が参加し、自宅などから避難所に向かった。

単純には比較できないが、今回、平成28年の熊本地震と同規模であることを思うと、被害はよく抑えられたと言えるのではないか。

全国的に年々、地方自治体の防災意識は高まっているが、国への依存意識は依然強いという。気象庁ホームページでは「(日本では)地震が起こらない場所はないと言っても過言でない」と釘(くぎ)を刺し、国が対策の標的とする地震のみに注目すべきではないとしている。

歴史的に日本は頻発する自然災害のハンディを背負いながら、その事前対策、事後克服に知恵を巡らすことで文化、経済を発展させてきた。今の新しい街づくりにもっと自助、共助の精神を生かしたい。

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