大型連休で久しぶりに北陸地方の田舎町に帰省したが、家の周りに空き家が増えたようだ。町を散策すると、かつて同級生が住んでいた家も空き家となっていた。昭和の初めごろに建てられたと思われる木造の住宅だ。幽霊屋敷のようなのもちらほらある。 別の町の町内会長をしている高校の同級生に聞くと、2月に寒波が襲来した時には、あちこちで水道管が破裂。空き家でも破裂し、そのために水道局に連絡するなど大変だったという。 空き家を取り壊して駐車場にするなど、かつては軒を連ねたそれなりの街並みであったところが、櫛(くし)の歯が欠けたようになっている。しかし、それはまだいい方だ。ほったらかしにされ、朽ちていくままになっている家があると、町の景観、雰囲気を大きく損ねる。 こういう風景は、日本の多くの地方で広がっているようだ。政府は、管理が不十分な物件を新たに「管理不全空き家」に指定して行政が指導を行うよう法律の改正案を国会に提出した。指導で改善されない場合は、空き家の固定資産税を減額する措置を解除するというものだ。 空き家問題の背景には、少子化、社会構造の変化、東京一極集中など、今の日本が抱えるさまざまな問題がある。法律の改正くらいで、どれだけの効果を挙げられるか。 しっかりした空き家なら、有効活用の道もある。若い人たちの間で密(ひそ)かなブームとなりつつある地方移住を、空き家の再利用に結び付ける積極策も必要だろう。 |
【上昇気流】(2023年5月5日)
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By 編集部
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