マルチ女性の運転術  韓国

先日、釜山に駐在する知人に会いに行った時のこと。ソウルからKTX(韓国高速鉄道)に乗って最寄りの駅を下車すると、出迎えてくれた知人の女友達が車に乗せてくれた。目的地まで通常なら約30分。しかし、この日は土曜日で道が混み、1時間以上を要した。車中、よもやま話に花が咲いたが、女性の釜山なまり独特の抑揚が妙に心地よく、しゃべっていると、釣られてこちらまでなまり交じりになってくるから不思議なものだ。

ところで驚いたのは、女性が運転しながら同時並行で幾つもの“作業”をこなしたことだ。まず、故障したガスコンロの交換に自宅に来ることになっていた業者と携帯電話でやり取りが始まった。女性の自宅は古いマンションで、該当スペースは今販売しているコンロの規格に合わないことが判明し、交換に行き詰まった。その合間には、留守番をしていた娘さんから抗議の電話。遊びに出掛けられないと言われ、しばし親子喧嘩(げんか)だ。

業者からスペースに入る新製品が見つかったと告げられた女性は、今度は値段交渉に移った。いつの間に調べたのか、ネット販売のコンロとさして変わらないと分かり、交換を依頼。その間にもルームミラーで化粧直しをしたり、筆者に昼ご飯の要望を聞いたり。同時に複数の事を処理する離れ業に感服していると、女性は「これでも同時にこなす数は減ったのよ」。韓国人女性は生活力が高いと言うが、このマルチスタイルからも納得。(U)

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