【上昇気流】(2023年4月26日)

ニューヨーク マンハッタン

ニューヨークの超高層ビル、エンパイアステートビルの展望台からマンハッタン地区を一望すると、各ストリートが作る矩形(くけい)の中に大小のビルが無数に建ち並び、しかもまとまった街の一つの機能と秩序が感じられる。それは電子回路に素子を埋め込み一定の機能を生み出すコンピューターの仕組みと同じだ。

実際は、集積回路と街並みの相関関係が意識され、コンピューターが作られたかどうか知らないが、あまりに似た着想に初見で驚嘆した覚えがある。

まるで人が書いたような文章が書け、欧州で禁止論さえ出ている対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の利用が急拡大している。先の伝で言うと、人間に似た頭脳を持ち、人間と対話する日本発の「鉄腕アトム」の着想に似たものだ。

日本は鉄腕アトムの製作を中途で諦めたが、米国はこの電脳ロボットに似た機能を執拗(しつよう)に追究した。その想像力、実現力には恐れ入る。

チャットGPTは人間の思考の代わりをするとして、日本の大学が次々と使用制限の指針を発表している。学生に規範を与える教育者の当然の措置といえるだろうが、一方、論文審査のプロとして論文の質を見定められないようでは少々頼りない。

タイトル六冠のかの天才将棋棋士はAIを使い強くなったそうだが、決してAIに屈したわけではない。チャットGPTではその人特有の才能や個性は発揮されないというから、良い論文の発掘は教授の力量によると思う。

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