タダより高いものはない

お昼寝する男の子

4月から0~2歳の保育料を無償化する自治体が増えている。東京都が今年初めに0~2歳の第2子保育料無償化を決定したことが、良くも悪くも他の自治体を刺激している。

埼玉県深谷市は4月から親の所得にかかわらず0~2歳の教育・保育料を無償化する。大阪府豊中市は第2子保育料を無償化するなど、無償化対象は自治体によって違うが、国が3~5歳の教育・保育料無償化をしているので、これらの自治体はほぼ未就学児童の教育・保育料が無償化となる。

小池都知事は「親の子育て負担軽減になる」「子供が輝き、出生数が増える」とチルドレンファーストを強調するが、無償化だから、0・1・2歳の乳児が保育園に入りたいと思うわけではないだろう。そこには「タダなら利用しないと損」「少子化で減っていく保育需要を増やしたい」という身勝手な大人の事情が透けて見える。

東京都はほぼ待機児童が解消し、0~2歳保育の空きが出始めている。ただ、現場はどこも慢性的な保育士不足と質の低下に悩まされ、ギリギリのところでやっている園も少なくない。

5年ほど前、東京都近郊で認定保育園を経営する方に話を聞いたことがある。「以前は募集すれば保育士が来たが、今は募集してもなかなか来てくれない。給与が高い都心の園に行ってしまう」と嘆いていた。都知事は無償化に110億円を投じ、少子化をストップさせるというが、筆者には行政によるさらなる親子分離政策に見える。

著書『ママがいい!』で保育崩壊を訴えた元埼玉県教育委員長の松居和氏はブログでこうつづっている。

「ペットを、1日11時間、年に260日預ける人はいないでしょう」

無償化は自分で育てようと思っている親でも「タダなら利用しないと損」という気分にさせてしまう。

保育料無償化!タダより高いものはない。

(光)

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