増える「学校の統廃合」

学校

この春、妻の田舎の小学校が廃校になった。ちょうど姪(妻の弟の子)が最後の卒業生となった。妻の実家では親族のほとんどがこの小学校の出身で、帰省するたびに小学校時代の友人や保護者の思い出話に花が咲く。地域の人にとっては馴染(なじ)み深い、歴史のある学校である。

少子化が進む中、学校の統廃合は珍しいことではなくなった。文部科学省のまとめによると、全国の公立小・中・高校などで廃校になったのは平成14年度から令和2年度までの19年間に8580校である。毎年400校から500校が廃校していることになる。

首都圏にいるとあまり実感はないが、筆者の故郷でも母が「近所で子供の声が聞こえなくなった」と話していた。筆者の小学校時代のように、子供たちが連れ立って登校する風景が消えてしまったようだ。

地域の拠点でもある学校は、地域社会を築く上で大切な役割を担っていると言われる。例えば地域の大人が登下校の見守りをしたり、社会科見学のような活動で子供たちと世代を超えた関わりを持つことができる。学校が発信する文化などに触れることもあるはずだ。筆者の家庭では、子供の学校で出会った地域の保護者たちとの付き合いがずっと続いている。

しかし学校が廃校になればこうした機会がなくなり、子供たちも遠くの学校に通うことになるために地域で育つ時間が乏しくなるというわけだ。

それでも近年は、魅力ある学校づくりのために地域が連携した「高校魅力化プロジェクト」のような地域再生の取り組みも広がっている。地域の特性を生かした教育を充実させることで、地域を担う人材が育ち、地域も持続的に発展するといった成果が上がっているという。

持続可能な地域社会をつくるために、学校が持つ可能性を改めて見直し、学校、家庭、地域の関わりをいかに深めていくかを考えることが欠かせない。

(誠)

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