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お墓で宴会?清明祭とは

沖縄のお墓

沖縄では4月上旬、二十四節気の一つ「清明」入りに合わせ、「清明祭(シーミー)」が行われる。門中(親類・親族)が一堂に会し、お墓の掃除やお供えをして先祖供養をし、そのまま墓前で飲食する行事のことで、「御清明(ウシーミー)」と呼ぶ地域もある。

中国の清明節に由来する伝統祭事の一つで、先祖を重んじるウチナーンチュ(沖縄県出身者)にとっては、夏のお盆「ウークイ」と並ぶ重要な行事だ。

シーミー入り後、初の週末となった8日、那覇市の識名霊園を訪れると、多くの家族が清明祭を行っていた。墓前にブルーシートを広げて家族で食事を囲む光景はまるでピクニックのよう。

浦添市から訪れたという家族に話を聞いてみると、親族全員揃(そろ)っての清明祭は4年ぶりとのこと。親族最高齢の老夫婦は「元気な子供たちの姿が見れて先祖も喜んでいる」と嬉(うれ)しそうに話した。また別の墓前では泡盛片手に大宴会が行われていた。大いに盛り上がっており、本土で行われる静かな墓参りとはやはり雰囲気が違う。

清明祭に必要なものは、重箱料理、果物、お菓子、供花のほか、カビバーチ(火鉢)、ウチカビ(打ち紙)、ヒラウコー(平線香)と呼ばれる沖縄独自の供え物だ。ウチカビは「グソー(あの世)」で使うお金を意味していて、ムートゥーヤー(宗家)は5枚、その他親族は3枚ずつ燃やすのが通例だそう。儀式では「ウートゥートゥー」と呼ばれるグイス(拝み言葉)を一同で唱え、一族の健康と繁栄を祈願する。

あの世へお金は持っていけないと言うが、死後、子孫たちがウチカビを仕送りしてくれるなら、安心して旅立つことができるのかもしれない。

(K)

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