この春から東急電鉄と相模鉄道の新横浜線が開業し相互乗り入れが始まった。これによって首都圏の7社局14路線が一本で結ばれ、相鉄沿線が都心に直結するようになった。
相鉄線は神奈川県民にとって馴染(なじ)みのある路線だ。二俣川駅近くには神奈川県警察運転免許センターがあり、免許の更新のためにこの路線を利用したことのある人は多い。そのローカルな路線のイメージも、相互乗り入れで大きく変わる。
沿線住民にとって利便性は一気に高まるが、一方で副作用を心配する声もある。先日横浜の取材先へ行くため、小田急江ノ島線の大和駅で相鉄線に乗り換え、ちょっと戸惑った。これまでは、次の電車が各駅停車か急行あるいは特急かだけを気にしていればよかったが、行き先が一気に増えた分、間違えないよう注意が必要だ。
駅に貼られた新しい路線図を見ると、東京メトロ副都心線、東武東上線、JR埼京線、都営三田線など幾つもの路線が繋(つな)がっている。目的地に一本で行けるのはいいが、どの電車に乗ればいいのか初めは迷う人も多いだろう。
それ以上に心配なのは、神奈川県から遠い東武東上線の川越あたりで発生した電車の遅れが、もろに影響することがないかということだ。影響が出るとしても最小限に抑えてほしい。
首都圏には世界の都市に例のない一大路線網がつくられている。だがうまく使いこなせないと却(かえ)って面倒を感じる点、ちょっとスマートフォンと似たところがある。