と岸田文雄首相=16日午後、首相官邸.jpg)
戦後最悪とも言われる日韓関係が、ようやく改善に向かって歩み出した。韓国の尹錫悦大統領が来日して岸田文雄首相と首脳会談を行い、「シャトル外交」の復活などで合意した。韓国大統領が来日しての首脳会談は、国際会議に合わせたものを除けば実に12年ぶり。
今後、曲折はあるだろうが、文在寅大統領時代と比べれば隔世の感がある。日韓の間には過去の歴史に絡む問題がトゲのようにあるが、一方で民族的、文化的な近さがある分、通じるものも大きい。
会談後、両首脳は銀座に繰り出し、まず割烹「吉澤」ですき焼きを、「2次会」として「煉瓦亭」でオムライスを食した。かつて尹氏がオムライスの味に感激した店というが、この「2次会」は欧米の首脳とではちょっとあり得ないだろう。
小紙韓国特派員によると、その時の流れで2次会、3次会と続くのは、韓国も日本と同じ。情が通じ合えば家族のような付き合いとなるのも、個人主義がベースにある欧米と違うところだろう。
「煉瓦亭」は、作家の故池波正太郎氏が贔屓(ひいき)にした店としても知られる。しかし、銀座の洋食店としては特に高級店というわけではない。気流子も池波氏一押しのポークカツレツを食べに行ったことがある。
ある時は、近くのテーブルの若い男女が韓国語を話していた。韓国でもそれなりに知られた店なのだろう。「煉瓦亭」でオムライスという韓国人客が増えそうだが、同様に日韓改善の進展を望みたい。