マドリードに住むウクライナ人女性から感謝の言葉をもらった。突然のことだったので大変驚いた。
行きつけの居酒屋では、中南米やルーマニア、ブルガリアなどの東欧出身の女性が働いている。その中に一人ウクライナ人女性がいた。彼女は当初、筆者のことを中国人だと思っていたようだ。直接話をしたことはなかったが、誰かに聞いたのだろうか、日本人だと分かって、いきなり「グラシアス!」(ありがとうの意)と声を掛けてきた。
ロシアから侵攻を受けた直後から、ウクライナ政府は首都名をはじめ国内の地名の呼称や表記を、従来のロシア語から自国語に変更した。これを受けて、日本政府はウクライナとの一層の連携を示すため、旧名を併記しながらもキエフからキーウへ、オデッサからオデーサというように、いち早く表記変更に対応をした。そのことに対する感謝の一言だった。
ちなみに、スペインはEU(欧州連合)の一員としてウクライナへの支援は怠っていないが、地名等の呼称や表記については、従来のままである。また、ウクライナという国名もスペイン語では「ウクラニア」となる。
個人的には、長い歴史のあるキエフという名前が消え去るのは寂しい気がするが、ロシアから侵略を受けたウクライナが国内の地名を自国語に変えようとすることは当然の感情である。例えば、江戸から東京に変更するのとは、次元の違う話である。(T)





