喉元過ぎても熱さ忘れるな

マスク着用ルールが緩和された13日午前、JR名古屋駅構内を歩く人たち=名古屋市中村区

13日からマスク着用のルールが緩和され、屋内・屋外ともに個人の判断に委ねられることになった。

2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大のためマスクが品薄となり、ドラッグストアなどに早朝から列をつくってマスクを手に入れるようになってから、実に3年たっている。

当時、中学や高校に入学した生徒たちは、ほとんどマスクを着けたクラスメートの顔しか知らずに卒業していくことになる。マスク姿の自分に告白されたので、マスクを外した自分を見たらがっかりするのではないだろうかと、ひそかに悩む生徒たちまでいるという。笑えない現実だろう。

すぐに新型コロナ以前の生活に戻るわけではないが、この間、慣れ親しまざるを得なかったマスク生活からだんだん解放されていくことだけは確かなようだ。新型コロナウイルスのワクチンと治療薬が開発され、世界的に行きわたるようになり、季節性インフルエンザと同じように対応できるようになったためだ。

しかし、今回のウイルス性感染症を根本的な解決に導いたワクチンの製造に関して、日本は何ら役割を果たすことができなかった。ワクチン開発の伝統を持つイギリスの大学や国家安全保障の観点から国防総省や保健社会福祉省からの資金を得てメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの技術開発を続けていた米企業などが驚くほど短期間にワクチンを完成させた。日本は資金力を生かしその完成品を買い取るぐらいしかできなかった。

それでいい、金さえため込めば何とかなるというのなら話は別だが、新型コロナウイルス感染によって国の緊急事態対応の欠陥が多く明らかになった。それを整備していくことは待ったなしの課題だ。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のでは困る。

(武)

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