
沖縄と言えば「はいさい」や「めんそーれ」など、独特な方言が有名だ。これらは「ウチナーグチ」と呼ばれ、移住者が越えなければならない壁の一つだ。中でも、沖縄の地名が難解過ぎて読めないことがあるが、沖縄で暮らしていく上で絶対に避けては通れない。
もちろん本土にも難解な地名は存在するが、沖縄の地名の難解さは次元が違う。例えば、アメリカンヴィレッジなどで有名な観光地「北谷」も、訪れた事がなければ「ちゃたん」と読むことは難しいのではないだろうか。
私たちは小学生の頃から、多少の不規則はあれど、基本的に漢字の音読みと訓読みを習い、覚えてきている。そのため、初見の地名であっても、知っている漢字であればある程度は読み方を予想できるのだが、これまで積み上げてきた経験はここ沖縄の地においては通用しない。
一例を紹介しよう。東西南北は沖縄ではそれぞれ「東(あがり)」「西(いり)」「南(ふぇ)」「北(にし)」と読む。この読み方を知っていれば、「西表」は「いりおもて」、「北浜」は「にしはま」と読める。しかし、個々の漢字の読み方を覚えたとしても、先ほどの「北谷」のように、この法則に当てはまらない地名は多い。
例えば「東風平」は「こちんだ」と読む。また「南風原」は「はえばる」と読む。このように同じ漢字のはずなのに、組み合わせによって全く読み方が変わってしまうのだ。
難解な漢字を紹介しだすと切りがないため、ここでは筆者が厳選した、特に読めない地名を四つ紹介したい。「保栄茂(びん)」「喜屋武(きゃん)」「勢理客(じっちゃく)」「為又(びいまた)」だ。
難解地名の背後にはその地域の人々が紡いできた歴史や文化が結び付いている。先人たちを尊敬する心を持って、一つ一つ覚えていきたい。
(K)