トップコラム【上昇気流】(2023年3月7日)

【上昇気流】(2023年3月7日)

九十九島

日本の島の数は、これまで6852とされていたが、実はその約2倍の1万4125だった――。伊邪那岐尊と伊邪那美尊の国生みが再び行われたわけではない。測量技術の進歩により地図表現が詳細化したためだ。

「島」は国連海洋法条約で「自然に形成された陸地で、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と定義されている。日本ではこの要件を満たす周囲100㍍以上の長さの陸地を島とし、縮尺2万5000分の1の海図を基に海上保安庁が昭和62年、6852と公表した。

今回、国土地理院が電子国土基本図によって同じ条件で計測したところ、7000以上が新たに島と認識された。発表された資料には、神奈川県の江の島が例として示されている。それによると、かつて江の島周辺には二つしか島はなかったが、今回の計測で七つであることが分かった。

江の島は気流子がよく磯釣りに行くところである。発表された図の新たな島は、これまでに見たことがある場所だったので、ちょっと驚いた。

ほとんどは磯から数㍍しか離れておらず、気流子は岩礁と見なしてきた。釣り人の感覚と地理学的な認識は必ずしも一致しない。

今回発表された島のうち1万3705が無人島だ。沖縄県の無人島を中国人女性が購入し、安保上の懸念を指摘する声が起きている。島を見る際、どうしても観光業など経済的な観点が支配的となるが、安全保障の観点から見詰め直す必要があるようだ。

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