遅れる「ヒトラーの生家」改修工事 オーストリアから

オーストリアのオーバーエスタライヒ州西北部イン川沿いのブラウナウ・アム・インには、アドルフ・ヒトラーの生家がある。その生家から100㍍余り北の方向に歩くとイン川が流れている、その川を越えるとそこはドイツのバイエルン州だ。もし、ヒトラーの生家がイン川を越えた所にあったならば、ヒトラーはドイツ人だ。実際は、生家はオーストリア領土内にあったから、ナチス・ドイツの指導者ヒトラーの国籍はオーストリア人だった。

そのブラウナウにある「ヒトラーの生家」の改修工事が遅れている。ようやく着工予定が今秋となったばかりだ。その理由について、内務省は新型コロナウイルスの感染と建設業界の事情だという。計画では、改修作業は2025年末に終わり、26年の第1四半期には警察当局が引っ越し、仕事を開始できると想定されている。同市のヨハネス・ヴァイドバヒヤー市長はオーストリア放送とのインタビューの中で「改修工事はさらに遅れたとしても驚かない」という。

オーストリア政府は「ヒトラーの生家」の家主と交渉し、一時期法的な紛争まで発展した。最終的には、政府は「ヒトラーの生家」の家主からハウスを強制収用することになった。その際、「建物とヒトラーの生家を結び付けてはならない」という条件が付いていた。建物の中にはヒトラーに関連するいかなる展示エリアもない。建物の前に記念石があるだけだ。政府側は「ヒトラーの生家」がネオ・ナチ関係者のメッカとなることを恐れている。戦後75年以上が過ぎたが、オーストリアでは政府も国民もヒトラーに関連することには依然、異常なほど神経を使う。(O)

spot_img
Google Translate »