海外に居住していてときに残念に感じることは、日本食が自由に食べられないことだ。ウィーンにも数件の高級日本レストランはあるが、いつでも、というわけにはいかない。
ただ、日本食が健康にいいということで、普通のスーパーにも日本の食材が並ぶようになった。オーガニックの豆腐はスーパーに行けば必ず買ってくる。絹ごし豆腐から木綿豆腐までメーカーや種類によって選べる。以前は中国食材の店まで買いに行ったものだが、近くのスーパーで豆腐が自由に手に入るようになり感謝しかない。
しょうゆやみそも、ウィーンの日本食品店で買うより安く手に入るときはアマゾンで注文すれば翌日には届く。便利になったものだ。
最近、近くの健康食品を扱うスーパーでオーストリア産納豆が売られていると知って、さっそく買ってきた。小瓶に納豆が入っている。瓶には「納豆」と漢字も書いてある。一瓶(110㌘)4ユーロ95セント(約710円)と安くはない。
先日、いつものように買ってきた納豆が少し変だ。箸で何度回しても納豆特有の粘りが出てこないのだ。粘りのない納豆を想像してほしい。ライスの上には粘り気のない豆が乗っているだけだ。
そこで納豆メーカーに丁重に、現状の残念な思いと不満を吐露したメールを送った。会社側が納豆菌を入れ忘れたことを認め、何らかの償いなどオファーするのではないかという期待もあって、あまり強くは言わないほうが得策と考え、返信メールが届くのを「粘り強く」待っている。(O)