トップコラム【上昇気流】(2022年11月29日)

【上昇気流】(2022年11月29日)

生前の安倍元首相(過去の官邸ホームページより)

産経新聞カメラマンが撮影した安倍晋三元首相の写真展が、東京タワーで開かれている。これを見て、安倍氏が類いまれな政治家であったことを改めて思った。

入場者に女性の姿が目立ったのが少し意外だった。左翼がつくり上げたタカ派イメージが強かった安倍氏だが、実際は女性活躍を目玉政策に掲げ、女性にも人気があった。女性票がものを言う選挙に強かったのがそれを証明している。

安倍氏の実績として外交舞台で日本の存在感を高めたことがよく挙げられる。実際写真でも、先進7カ国首脳会議(G7サミット)などで、各国首脳と並んでも堂々とした感じが伝わってくる。

表情豊かで、それが自然に表れていたのも安倍氏の魅力だった。人々との交流場でのにこやかな表情から、海上自衛隊の観艦式や靖国神社参拝の時の厳粛な顔、福島の被災地を訪ねた時の厳しい表情など。政治家としての姿勢が滲(にじ)み出ている。

腹の内をなかなか明かさない政治家とはいえ、表情はごまかせない。2019年の20カ国・地域(G20)首脳会議で安倍氏と日中首脳会談に臨んだ習近平国家主席のニコリともしない表情などその典型だ。

これとは対照的に先日の岸田文雄首相との会談で、習氏は余裕のある笑顔を見せていた。岸田首相が東アジアサミットで中国を名指しして批判するなど、日中関係で特段の進展があったわけではないのに不思議だ。安倍氏に比べ、岸田首相は遥(はる)かに御しやすいということか。

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