【上昇気流】(2022年11月28日)

6日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられる新型の月探査ロケット(UPI)

月面着陸を目指した小型探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」の失敗は残念だった。しかし民間でも、宇宙ベンチャー企業のアイスペースが月探査機を打ち上げる予定で、月面探査実現へ一歩一歩近づいていくはず。わが国は昨年末、日本人宇宙飛行士の月面着陸を2020年代後半に実現させる方針を固めた。

気流子もその一人だが、月への日本人飛行に対する待望の根は、やはり1969年の米国による人類初の月面着陸、その時のテレビ中継にあるだろう。

その後80年代、米国の宇宙開発の過程で人身事故があり、日本では人命を危険にさらしてまで月を目指すべきかという安全性への懸念が出て、世論がやや冷めてしまった感がある。

90年代末、わが国ではH2Aロケットの前のH2時代に打ち上げの相次ぐ失敗で試練が続いた。技術開発には目標、テーマが設定されないと進展が望めないし、それを担う人材が育っていかない。

以前、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身、宇宙開発事業団(NASDA)のある幹部から「ロケット打ち上げは愛国心の涵養(かんよう)のためでもある」と聞き、頼もしく思った。幸い、宇宙開発事業は営々と続いてきた。

技術者を駆り立てたのは「技術立国」に日本を押し上げようとする熱意だろう。民間が参入し経済的合理性も一層追求されている。「宇宙は科学の宝庫」(故竹内均東大名誉教授の著書名)であり、激しい国際競争を勝ち抜いてほしい。

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