昔から根強かったはずの儒教精神が人々の発想から急速に薄れつつある今の韓国。近年、急増している離婚に対する考え方にも、それはよく表れている。
これは先日、取材先で知り合った40代女性のケースだ。20代で恋愛結婚し、子宝には恵まれなかったが、それなりに幸せだった。ところが、夫は惚(ほ)れ惚(ぼ)れするほどのイケメンで、いつしか浮気の常習犯に。それでも女性は最初、我慢した。試練を克服しようとキリスト教の教会にも通い始めた。その後、夫は事業に失敗。
一方、女性はキャリアを重ね、かつての夫をはるかに上回る年収を得るようになった。そしてついに女性は、浮気癖の直らない夫に離婚届けを突き付けたそうだ。離婚して「気持ちがスカッとした」(女性)という。
知人の紹介で会った30代女性の場合はもっとドライだ。夫の浮気がバレた時点で浮気相手の女性から「慰謝料いくら払えばいいの?」と聞かれてムッとし、「分割じゃダメ。一括で!」とやり返したとか。女性は夫と離婚後、ワーキングママとしてバリバリ働き、一粒種の小学生の娘を東南アジアに留学させた。半年に一度会いに行くのが楽しみだ。
離婚女性への世間の風当たりが強かった時代はとうの昔に過ぎた。むしろ経済力を付け、稼ぎの悪い夫にしがみついていた過去と決別し、残りの人生を独身で通そうとする女性はカッコよくさえ映る。周囲も応援する。袖にされた男性陣が心配になってくるほどだ。(U)