日本が3年連続となる「化石賞」を受賞した国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、全国地球温暖化防止活動推進センターによれば、地球温暖化の影響で1901年から2010年の間に19センチ海水面が上昇したという。
この点、全く海のない内陸国であるネパールにおいても、温暖化によって引き起こされる可能性がある洪水被害への対応を迫られている。これは、「氷河湖決壊洪水」と呼ばれるもので、氷河や端堆石(エンドモレーン)のダムに支えられた氷河湖が決壊することによって起こる洪水のことだ。
11年に行われた現地調査では、ネパール国内の42カ所の湖において、洪水のリスクが「非常に高い」または「高い」と確認されており、事実、1960年代以降に少なくとも14回、すなわち3年に1回以上の頻度で氷河湖決壊洪水が起こっている。
われわれ人間は、地球温暖化による海面上昇による被害という低地からの対策に加え、氷河湖溶解による高地からの被害への対策も必要という板挟みに遭っている。島国日本人には世界の屋根ヒマラヤ山脈の水害は想像もつかないことだ。
わが家においてはクリスマスを待たず、子供達の下からのあふれんばかりの圧力と、上から目線の妻のあふれんばかりの圧力に耐えきれず、財布の紐(ひも)が切れそうだ。そう考えると、温暖化に遭遇する地球の気持ちに少しばかり近くなった。(T)