【上昇気流】(2022年11月16日)

野球

「たられば」はいけないと野球の解説者(元有名選手)がしばしば言う。「……していたら」とか「……していれば」のパターンは厳禁という意味だ。

「たら」や「れば」をグズグズ言うより、もっと練習することが重要という話だ。野球は結果が全てだから「後になって未練がましく言うな」という趣旨には一理ある。

が、「歴史のもし……」はムダではないだろう。「もし、ビスマルク(1898年没)がドイツとオーストリアの戦争を決意しなかったら……」と問うことには十分な意味があったとマックス・ウェーバーが言っている。戦争の結果ドイツ統一が実現した。

歴史上の敗者について「あの時ああしていれば……」というケースは山ほどある。対処の仕方をあれこれ考えることは、似たような状況に関する教訓にはなる。歴史はしばしば繰り返すものだからだ。「たらればはいけない」で切り捨ててしまえば、大事なものを失ってしまう。

「歴史のもし……」には意味がある。歴史には成功例が記述されることが多いが、世の中には失敗例も多い。失敗の結果死んでしまった当人にとっては取り返しがつかないが、それを学ぶ後世の人間からすれば、記録の少ない失敗談こそ有益な場合も十分にある。

だから、われわれは歴史を学ぶのだろう。歴史から学ぶ事柄は広く深い。「同じような失敗を繰り返さないための効用」が歴史の中にたっぷり含まれていることは紛れもなさそうだ。

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