【上昇気流】(2022年11月15日)

テレビ番組「てなもんや三度笠」などに出演した喜劇俳優の白木みのる(本名・柏木彰)さんが約2年前に亡くなっていたことが分かった。「てなもんや三度笠」では、小坊主・珍念役で、藤田まことさんが演じる渡世人あんかけの時次郎の相手役を務めた。

とにかく面白かった。昭和37年から6年間、毎週日曜の夜6時から放送されたこの30分の時代劇風コメディーほど一世を風靡(ふうび)した番組はないのではないか。藤田、白木さんの出世作ともなった。

オープニングのコントでの藤田さんのセリフ「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」。このお馴染(なじ)みの宣伝でクラッカーも売れに売れた。

ただ、今の若い人たちが番組を見て笑えるか、自分も当時と同じように笑えるか分からない。藤田さんの顔の長さなど出演者の身体的特徴を笑いのネタにする場面もある。昔の漫才には少なくない傾向だが、今の時代風潮からは抵抗があるかもしれない。

それでも、舞台で上演されたこの番組には明るい笑いがあふれていた。あの明るさは何だったのだろうとも思うが、やはり高度成長期の真っただ中にあった時代の空気がつくり出すものに違いない。

それとともに大阪の底力があった。歌舞伎でも上方には世話物の伝統があり、商人の町、大阪ならではの本音で生きる姿がベースにある。これらが上方発のお笑いの持ち味だが、その良さは今どれだけ息づいているか、どうも怪しいような気もする。

spot_img
Google Translate »