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到来したサフラン摘みの季節 インドから

インド北部のカシミールでサフランの収穫が始まっている。パンポーレのサフラン畑では、先月下旬から始まった年に1度のサフラン摘みが行われている。雪に閉ざされ、寒風吹きすさぶ極寒の季節に入る前までの1カ月間しか、花の摘み取りはできない。摘むのは花だが、使うのは紫色のめしべの先端部だけだ。それを日干しにして乾燥させる。

カシミールはしばしばインド映画のロケ地として使われるほど、幻想的な高地だ。さらにこの季節、見渡す限りすみれ色に染め上げる高原のサフラン畑は、うす紫の雲の中にいるかのようだ。

我が国でもパエリアやピラフなど、黄色の色付けで使われるサフランだが、染色や香料、薬剤として使用される。サフランは、わずか20グラム程度で値段が約3万円と至って高価。世界で最も値の張る香辛料の一つとなっている。タイで収穫されるアマツバメの巣も高価だが、とてもとてもサフランにはかなわない。

サフランは香辛料以外にも生薬として利用されることもあり、香りには気持ちを落ち着かせる鎮静効果があるとされる。漢方薬にもしばしばサフランが使われるなど、その薬効には定評がある。

ということは、使い過ぎると当然、副作用が出ることになる。ドリンクとして飲む場合、1日、0・3グラム程度のサフランをお湯に入れて飲むのが適量とされる。それでも1杯、400円だから、なかなか飲み過ぎるということはないのかもしれない。(T)

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