トップコラム日本人もうらやむ高い預金金利 ブラジルから

日本人もうらやむ高い預金金利 ブラジルから

ブラジルで驚くことの一つが、銀行の預金金利の高さだ。物価上昇率が前年比で5%近くに達し、政策金利も現在13・75%と世界でも有数の高さなので、預金金利も予想できることではある。それでも、おまけ程度にしか利子がつかない日本の銀行に慣れてしまうと、驚きであることには違いない。

ブラジル人にとって最もなじみがあるのが、「ポウパンサ」という貯蓄口座だ。銀行で口座を作れば、まず最初に開設される口座で、日本の普通預金口座のように自由に出し入れができる。金利は政策金利と連動している部分があり、現在の預金金利は年率で6・17%にもなる。ポウパンサは税金がかからないシステムになっており、純粋に金利だけがついてくる仕組みだ。

もちろん、ブラジルにも定期預金(CDB)口座もあり、社債などと連動した預金口座になると、ポウパンサの1・2~1・5倍の(税引き前)金利がつくものも。知人の中には、毎月の電気代や水道代、スマホなどの通信料金をすべて預金金利で払っているという猛者もいるほどだ。

ただ、コロナ禍の影響で貧困が拡大したブラジルでは、貯蓄ができる国民は決して多いわけではない。それでも、ブラジルの預金事情は、インフレ率を考慮しても夢のある話ではある。

ポウパンサという貯蓄口座ができた背景には、「ブラジル国民が預金で少しでも暮らしが楽になるように」との思いもあるという。中央銀行の政策金利が大きく下がった場合にも、最低利率だけは担保される仕組みになっているのだ。

超低金利で物価だけが上がり続けようとしている日本の人々にとっては、うらやむようなブラジルの預金制度ではある。(S)

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