【上昇気流】(2022年10月20日)

六道山公園

狭山丘陵は多摩湖と狭山湖を包むように広がっている広大な森だ。東京都瑞穂町の町立文化の森・六道山公園は、この丘陵の西端にあり、標高205㍍の展望台から全方向を見渡すことができる。

南側の尾引山遊歩道から登ったが、ここだけが公園として整備されていて、山道から来ると不思議な感じがする。煉瓦(れんが)造りの展望台にカメラマンが4人いて、機材をセットし、手に双眼鏡を持って何かを待っていた。

それはワシ・タカ・ハヤブサ類だという。10月はミサゴ、ハチクマ、トビ、オオタカ、ツミ、ノスリ、サシバ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウ、すべてが見られるそうだ。

ここはその絶好の撮影地。東も北も森である。しかしここに来たからといって、すぐに現れてくれるわけではない。しばらくいたが、目にすることはないまま、下って山歩きを再開した。

山で鳥類に出会うことがあるが、撮影は難しい。相手は常に動き続け、姿を見せたと思ったら飛んで行ってしまう。かつて嶋田忠さんの写真展「野生の瞬間」を見た時のことを思い出した。

嶋田さんは国際的にも評価が高い鳥類専門の写真家。「日本一シャッターを切らない写真家」と自称していた。まず膨大な時間を観察に投入し、鳥の生命と完全に共鳴して、あらゆる神秘を開示した時、初めてカメラを向ける。だがアマチュアはその出現を待つばかり。あの人たちはワシやタカに出会えたのだろうか。

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