【東風西風】放送作家は女性が占領

韓国ソウル

韓国ドラマは日本でも人気があるが、ジャンルで見ると、一大勢力はラブコメディー。人気が高かった一例に、『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018年)がある。

パク・ソジュンが演じるイ・ヨンジュは、財閥企業の副会長で、ルックスもよく、幾つもの外国語を話す完璧な男。だが秘書として仕えていたキム・ミソ(パク・ミニョン)が突然退職願を出すと、この完璧だった男が動揺し、崩れていく。その落差が物語のツボで、見た目と現実との大きな違いが面白さを生み出していた。

作家、康煕奉さんの『韓国ドラマ!愛と知性の10大男優』(星海社)によると、これら韓国ドラマのシナリオ作家は、ほとんどが女性だという。女性が主にみる韓国ドラマは、女性がストーリーを書くことで、細かい感性のポイントを外さない。偶然の出会いと突発的な結末という恋愛ドラマは、男には書けないらしい。

ここでは男女の分業もはっきりしていて、放送作家は女性が占領し、男性は演出家に。総合的にスタッフを動かしていかなければならないからだ。

女性が書くシナリオである故に、男性主人公も魅力を輝かせ、人気俳優としての成長を遂げていく。納得のゆく解説だ。男優たちは雰囲気が似ているが、共通する特徴がある。背が高く、声は男らしく、大学で演劇の専門教育を受けてきた秀才。兵役も務めてきた、年長者を敬う「孝」の精神の持ち主でもある。

(岳)

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