【上昇気流】(2022年10月10日)

江戸川から見える富士

千葉県と埼玉県、東京都の境を流れる江戸川は首都圏の生活用、農業用などの利水で大切な働きをしている1級河川だ。また洪水を防ぎ水害を受けないよう、その時々に修復を重ね、都市の防災機能を保持してきた。

河川敷を利用したゴルフ場や少年サッカー場、野球場もあり、市民に開放されている。その一方で、川下りや川遊びなど川との直接的な交流はほとんどないのも事実だ。

「戦後は道路輸送に変わり、(数多くあった東京の)運河や川は邪魔もの扱いされ」「人間と川との自然な交流は見られない」(長崎福三著「システムとしての<森-川-海>」)といった状況が続いてきた。河川は最終的に海に注ぐが、流れが急な所も少なくない。

9月下旬、千葉県流山市の江戸川河川敷付近で行方不明になった同県松戸市の小学1年、南朝芽さんが、河川敷から約15㌔下った同県市川市の旧江戸川まで流され、遺体で見つかった。

朝芽さんは日ごろ、水がくるぶしまで漬かるのも嫌がっていたそうで、どのようにして川に近づき流されてしまったのか。今のところ目撃者はおらず、警察は事件と事故の両面から捜査しているという。一体、何があったのか。

数年前、千葉県野田市の江戸川で女子中学生が足を滑らせ溺死した事故があった。流れが速く一緒にいた友人らは何もできなかった。親にとっては、子を遠ざけるに越したことのない川になっている。生活の中に溶け込む河川の在り方を考えたい。

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