【心をつむぐ】自由意志と愛、信仰、結婚

V・E・フランクル(Wikipediaより)

人生で最も大切なものは何かといえば、愛であると多くの人は答える。その基盤となるのが自由意志だ。今、世界平和家庭連合(旧統一教会)に対する報道の中で、彼らの信仰や合同結婚式を、マインドコントロールや洗脳の結果とするものがある。

ユダヤ人であり、ナチスの強制収容所に入れられた経験がある心理学者V・E・フランクルは、「生きる意味」を満たす価値には創造価値・体験価値・態度価値の三つがあるとした。そのうち態度価値とは、人間が運命を受け止める態度によって実現される価値のことをいう。

フランクルは強制収容所の最悪の状況にあっても、天使のごとくふるまう人間がいたことを記している。自分の食事を他人に分け与え、凍える夜に自分のシーツを病人にかける姿を何度も目にしたという。

この自由意志による行為をユダヤ教の洗脳の結果だと誰も非難はしまい。イエスもユダヤの律法の中で最も大切なものは、第1は「精神をつくし、思いをつくして主なる神を愛する」ことであり、第2は「自分を愛するように隣人を愛する」ことであると言っている(マタイ伝22章)。

「精神をつくし」つまり自分の意志によって、神や人を愛することができる、というのだ。愛や信仰、結婚は自由意志の発露だからこそ貴く、また意味がある。それを一方的に、しかも公的にダメ出しすることは、自由な信仰や結婚に干渉したナチスにも似た蛮行といえよう。

(荘)

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