【上昇気流】(2022年9月10日)

朝夕は涼しくなったとはいえ、夏とも秋ともつかない日々の中で、きょう中秋の名月を迎える。陰暦8月15日の満月のことだが、それが9月上旬だと秋のイメージが湧きづらい。

日本初の月面着陸を目指す小型探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」の打ち上げも先送りされたことだし、月見は1カ月後でもいいかと勝手に思っている。

オモテナシは米ケネディ宇宙センターから4日(現地時間3日)に打ち上げ予定だった新型ロケットに相乗りし、打ち上げ後に分離、独自に月を目指す計画だった。それがロケットの不具合で延期された。米国は人類の月面再訪を目指す「アルテミス計画」を進めており、今回の打ち上げはそのミッション第1弾だ。

米国が月を目指すのには因縁がある。旧ソ連が1961年に人類初の有人宇宙飛行を成功させ、初の宇宙飛行士となったガガーリン少佐は「地球は青かった」と語った。この言葉は「宇宙には神はいなかった」と続く。後れを取った米国は「第二の真珠湾」と青ざめた。

奮起したのは米大統領ジョン・F・ケネディで「60年代に月に人間を立たせる」と壮大なアポロ計画を発表。69年にはアポロ11号のアームストロング船長が「小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩」を月面に刻んだ。アルテミス計画はそれに続く。

中国は虎視眈々(たんたん)と宇宙開発を進めている。先んじられれば「第三の真珠湾」だ。中秋の名月を迎えてもうかうかできない。

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