トップコラム革命的なキャッシュレス社会へ ブラジルから

革命的なキャッシュレス社会へ ブラジルから

ブラジルで生活し始めた日本人が驚くことの一つに、クレジットカードなどのキャッシュレス化が進んでいることがある。スーパーマーケットは言うに及ばず、露店の野菜、果物売りまでクレジット端末を持っていることが多く、クレジットカードとスマートフォンさえあれば、出先で困ることはほとんどない。

筆者がブラジルに初めて来た頃は、ブラジル社会のカード化もそれほど進んでおらず、雑貨店などで買い物をした時に現金を出すと、店側に小銭がなく、お釣りの代わりに飴(あめ)をくれることが多かった。

その後、ブラジル社会でカード端末が爆発的に普及し、飴をもらうこともなくなった。懐かしい思い出だ。

そのブラジルで近年、「PIX」というブラジル中央銀行が開発した“革命的”な即時決済システムが登場し、さらにキャッシュレス化が進んでいる。

個人や企業が持つ銀行口座に、PIX用の社会保障番号や電話番号などを紐(ひも)付けることで、銀行口座や個人情報を伝えることなく、スマートフォンを介して無料で現金の受け渡しができるのだ。公共料金などの振り込みも、請求書からPIX用のQRコードを読み込むだけで完了する。

最初は半信半疑で利用し始めたブラジルの決済サービスだが、中央銀行総裁が「近い将来クレジットカードは消滅する」と豪語するだけあり、驚くほど快適だ。米国以上のキャッシュレス化が進んでいるとも言われるブラジルのPIX、日本でも話題になってほしい決済システムだと思っている。(S)

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