トップコラム【上昇気流】(2022年8月19日)

【上昇気流】(2022年8月19日)

学校

3年ぶりの行動制限のないお盆休みということで、郷里で旧友たちと久しぶりに語り合う機会があった。中学時代の友人とは実に卒業以来で話が弾み、特に先生たちの思い出で盛り上がった。

怖かった先生、面白かった先生、個性的で型破りな先生たちのことを語りだすと話が尽きない。実に大らかな時代だったと懐かしむ一方、今であれば父兄や教育委員会からクレームが付くに違いないという点でも一同一致した。

長年教職に就いていた旧友は、今では教師たちもいろいろ制約があり、昔のように個性を発揮できる環境ではないと言う。事務仕事も結構多く、モンスターペアレンツもおり、その過酷さから「学校=ブラックな職場」とまで言われて教師の成り手もどんどん少なくなっているという。

話が授業で覚えていることに移ると、授業の中身ではなく、先生の言った面白い冗談や教科書に出ていない話ばかりだった。

例えば気流子の場合、男性の国語教師が言った「美人は冷たい」という言葉が妙に記憶に残っている。どんな脈絡で語られたかまでは覚えていない。気流子がませていただけなのかもしれない。ただ先生の語り口に、深い経験に裏打ちされたような切実な感じがあったことは確かだ。

教育とは、最終的には全人格的感化である。子供もその感受性はしっかりと備えているように思う。先生が指導要領通りに語ったことより、その人格と経験が滲(にじ)み出た言葉が残るようだ。

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