トップコラム【上昇気流】(2022年8月10日)

【上昇気流】(2022年8月10日)

クマゼミ

夏の昆虫で目立つのはセミだ。目立つと言っても、目に見える機会は少ない。声だけの話だ。セミの声にも好き好きがある。夕方鳴くヒグラシと、若干山地性のミンミンゼミは涼しげなのがありがたい。

夏の早い時期に鳴きだすニイニイゼミも好きだったが、15年くらい前から聞こえなくなった。理由は当方の耳の事情。ニイニイゼミがいなくなったわけではない。

アブラゼミはジリジリと暑苦しい。なぜか死骸が多いのがこのセミだ。ミンミンゼミの死骸はめったに見ないが、アブラゼミの死骸はやたらに見掛ける。

個体数が多いのか、このセミの生活形態の問題か。8月に入って鳴きだしたクマゼミは苦手。固まって鳴いていると、ひどくうるさい。30年ぐらい前から関東にもやって来た。温暖化の影響で西から東へ進出して、今は北関東ぐらいまで到達しているらしい。

ツクツクボウシも鳴き始めた。昔は8月後半になってから鳴きだすセミだったが、これも温暖化のせいか、鳴き始めの時期が早くなった。夏から秋への季節の切り替わりを教えてくれるセミであることに変わりはない。

それにしても、トンボも蝶(ちょう)も、カブトムシもクワガタムシも減った。8月下旬にはしばしばやって来たオニヤンマもここ10年ぐらい来なくなった。カナブンも減った。タマムシが飛来するのも、ここ最近はなくなった。虫たちとの出会いの形も、時代の流れの中でゆっくりと、しかし確実に変わっているようだ。

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