♪八月は夢花火 私の心は夏模様――。歌手、井上陽水さんの「少年時代」を思わず口ずさんだ。夏祭りの便りが各地から届いている。東北では青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、山形花笠まつり、仙台七夕まつりが目下、開催中。新型コロナウイルス禍で中止や縮小が続いただけに、この土日はさぞかし盛り上がるだろう。
メジャーな祭りに行かなくとも、近所の夏祭りが復活したというので自治体が配布している広報誌を繰ってみた。あるある。一覧表が載っていた。8月の週末はどこかで夏祭りが開かれる。むろん花火大会も。
浮き浮きしながら広報誌をめくっていくと、こんな見出しにギョッとさせられた。「大災害、航空攻撃、着上陸侵攻、弾道ミサイル攻撃、ゲリラ・特殊部隊による攻撃…いざ!というとき、あなたはどうしますか?」。
防災危機管理課の「国民保護計画」の紹介だった。ウクライナ戦争に台湾危機とキナ臭い昨今なので時宜にかなった案内である。で、どうするのかというと、ミサイル飛来の場合は「到着前に頑丈な建物の中か、地下に避難」とある。
心は一転、冬模様になった。気流子が住む田舎の街では、頑丈な建物も地下も思い当たらない。いや、国道をくぐる地下道が一つあったが、貧相なもので到底役には立つまい。核ミサイルであればどうするのか。
きょうは広島原爆の日。核廃絶の理想だけでなく、国民を核攻撃から守る手だても議論したい。