【上昇気流】(2022年8月3日)

新型コロナウイルスの無料PCR検査場

生物学者らに、人間とウイルスとの間で「共生関係」を結ぶことが大事だという考え方がある。ウイルスなどの病原体にはすみ処(か)があり、本来は相応の野生動物が宿主だが、今日、自然環境の破壊が続いていてそれがままならない。

農学博士、五箇公一著『生物学入門』によると「ウイルスは、新たなる宿主として狙いを人間に定め、感染を拡大して、自分たちが生き残れる身体を持った宿主・人間を探し求めている」と。

そのため「人間にとっては今まで出会ったことのないウイルスに感染されて、なんの抵抗性(免疫)も持たないわけで(中略)深刻な症状が続発し、死者も出る」一方、ウイルスはどこまでも変異を繰り返し、宿主を乗り換えて生き延びていこうとしていく。

今、新型コロナウイルス感染の「第7波」で主流のオミクロン株「BA.5」が「BA.2.75」に置き換わるのではないかという予測もある。これまでの約3倍も感染力が強く、世界で警戒感が高まっている。

一般に変異株について、感染力は従来種より強いが重症化はしにくい、また対応するワクチンは割と短時間に作れる――といわれる。しかし、ウイルスの駆逐を狙ったワクチン一辺倒の対処には限界があるのではないか。

欧米を中心に前例のない規模で感染が続く「サル痘」の国内感染者も明らかになった。不自然な性行動による感染が少なくないようだ。ここにも自然の秩序を損なう人間の油断が見られる。