【上昇気流】(2022年8月2日)

散歩

全国各地で猛暑日が続き、熱中症予防のため高齢者は日中の外出を控えるようにと言われている。しかし家の中にばかりいるとどうも体がなまるようで、近くの緑道を歩いた。木陰が意外と涼しく、夏の日を浴びた百日紅(さるすべり)が美しい花を咲かせている。

放射状に広がる枝の先に花の群がりを付けている。色は紅やピンクそして白もある。百日紅の名の通り、7月から9月ごろまでかなりの長い期間を咲くのが取り柄でもある。

見るからに南国的な雰囲気を持っているが、原産地は中国南部。樹皮が白くなめらかで、猿も滑って落ちてしまうようだというので、この名が付いた。炎天の下、かっと咲いている姿は気持ちがいい。夏が大好きだった子供の頃の感覚が戻ってくるようだ。

夏の花木といえば、昔は夾竹桃(きょうちくとう)がポピュラーだったような気がする。もう40年近く前になるが、昭和の大女優、木暮実千代さんにインタビューするため、東京・田園調布のお宅に伺った。木暮さんは簡単な道順を伝えて「庭の夾竹桃が目印」と教えてくださった。

妖艶な夫人役も多かった木暮さんを、花なら牡丹と言う人がいるかもしれない。しかし、気流子には夾竹桃が浮かんでくる。

夾竹桃は原産地がインドで日本には江戸時代に中国経由で入ってきた。これも大陸原産の花木だ。木暮さんは、戦前は旧満州の満映(満洲映画協会)で女優をし、終戦後に引き揚げてきたが、どことなく大陸的なスケールの大きさがあった。