【上昇気流】(2022年8月1日)

噴火する桜島

鹿児島市・桜島の爆発的噴火をめぐって同市の下鶴隆央市長は、噴火警戒レベルが3(入山規制)から5(避難)に引き上げられたことについて「大規模噴火の予兆なのか、居住地域に飛散する恐れから引き上げたのか、分かりやすい情報発信の在り方が検討されるべきだ」と気象庁に注文を付けたという。

いきなりのレベル3から5への引き上げで、対策上戸惑うばかりだったというのだ。実際、深夜の避難指示、付近住民の移動は大変でお年寄りも多かった。

噴火警戒レベルの発表にはより工夫が必要だろう。ただし、大規模噴火の予兆かどうかの予測は難しい。

今回は経験上、大規模な噴火でないことはほぼ明らかだったようだが、自然現象だから次に何が起こるか分からない。気象庁の発表にはそういう内容が含まれている。

豪雨などの気象災害の場合、線状降水帯の発生やその後の雨脚などについて、かなり正確に予測できるようになってきた。一方、火山学は天気を予想する気象学ほどは進んでおらず、「火山噴火を予知する方程式はない」(神沼克伊他著『地震と火山の100不思議』)というのが実情だ。

桜島には40年以上にわたって観測に携わる研究者、観測者もいる。その人たちの経験や観測データをどんどん積み重ねていき、今後、噴火警戒レベルの引き上げを適切なタイミングで発表できるようにするなど、その在り方の改善を図るしかない。全国の火山観測でも同様だ。