肥満大国からの脱却 シンガポールから

かつて肥満は豊かさの象徴でもあったが、近年では不健康で病気の温床との認識に変わりつつある。それでも世界の肥満人口は21億人。中には国を挙げて、肥満対策に取り組んでいるところもある。

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは9年前、体重を2キロ以上減量した人に減量1キロにつき金1グラムを贈るなど、国庫を減らしてまでも国民の体重を落とすことに専念した国もある。

国民の11%が糖尿病というシンガポールも、国を挙げて肥満対策に乗り出している。実はシンガポールは肥満大国。一見すると、高層ビルが林立するスタイリッシュでクリーンな街並みに、スーツをパリっと着こなしたスリムなビジネスマンが闊歩(かっぽ)という印象があるものの、肥満は大きな社会問題となっている。

このためシンガポール政府は3年前、甘味飲料の広告を全面禁止にするとともに、飲食店など外食産業で利用する油を、パーム油とキャノーラ油の混合油にシフトさせる補助金制度まで設けている。従来、主に利用されていたのは隣国マレーシアやインドネシアなどで取れた格安のパーム油だったが、パーム油だけだと心臓病のリスクを高めることから、政府は混合油へのシフトを推進している。

またシンガポール国立大学(NUS)はこのほど、パイナップルの葉の繊維が天然の脂肪吸収剤として機能することを実証した。NUSは、このパイナップルの葉の繊維をカプセル状にして商業ベースに乗せることを構想している。(T)