
夏の甲子園を懸けた高校野球沖縄県大会は、興南と沖縄尚学の実力校対決となり、7-1で興南が優勝。4年ぶり13度目の出場を決めた。
新型コロナウイルス感染対策が厳しいこともあるが、全国大会優勝経験校同士の決戦を一目見ようと試合開始前から長蛇の列ができた。1塁側はオレンジ色、3塁側は緑色と、それぞれ興南と沖縄尚学カラーの応援団が陣取った。
吹奏楽による演奏や声出し、指笛は禁止。太鼓とメガホンを叩(たた)きながらの応援となったが、試合開始前から両応援団は火花を散らした。
接戦が予想されたが、結果的には百戦錬磨の野球巧者、我喜屋優監督の采配が奏功した興南が圧倒した形になった。
1990年代後半から沖縄の高校野球は興南と沖縄尚学による2強時代が続いている。興南は2010年に春夏連覇、沖縄尚学は1998年と2008年の2度、センバツで全国制覇した。
19年の両校の決勝戦はすさまじかった。現在、オリックス・バファローズで活躍する宮城大弥が最後まで投げ抜いたものの、延長の末、沖縄尚学に惜敗した。
興南は昨年秋は九州大会に進んだが、2回戦で大島(鹿児島)に破れて、あと1勝というところで春のセンバツ出場を逃した。そして、春季県大会では新型コロナウイルス感染の影響で出場を棄権。今大会はノーシードで臨んだ。
3年前の決勝での敗北、昨年秋の九州大会の2回戦敗退、今年春の県大会の棄権という三つの悔しい思いを一気に晴らした興南。「(全国大会で)ひと暴れしたい」という我喜屋監督の言葉通りの活躍を願っている。
(T)