【上昇気流】(2022年7月18日)

ノーベル賞(Wikipediaより)

「数学のノーベル賞」と言われ、4年に1度、優れた業績を挙げた40歳以下の数学者に贈られる「フィールズ賞2022」にウクライナ・キーウ出身のマリナ・ビヤゾフスカさんらが選ばれた。女性の受賞は史上2人目。

空間に球を詰めて隙間を塞ぐ「球充填」の問題について、8次元の場合の最小値を見つけた業績などが評価された。ビヤゾフスカさんは雑誌のインタビューなどで、ロシアのウクライナ侵攻に憤り、子供の教育に及ぼす影響に懸念を示したという。

近年のノーベル賞受賞者の顔触れを見ると女性の活躍が目立つ。しかし、数学分野も含め歴史的に女性科学者の層はごく薄い。キュリー夫人はラジウムの発見、ユダヤ系ドイツ人数学者のエミー・ネーターは、抽象代数学と理論物理学への絶大な貢献で有名だ。

遠い昔から数学や物理、哲学を専門としたのは男性で、アルキメデス、ガリレオ・ガリレイ、ニュートン、アインシュタインらが新しい宇宙観、世界観を打ち立ててきた。だがここに女性による研究成果が反映されれば、また違った世界観が生まれるかもしれない。

固体物理学で国際的に知られた物理学者の故米沢富美子さんから「自分の好きなことを究めようとする好奇心こそ科学を志す上で宝となる」「夫や母の理解があって研究と子育てができた」と聞いた。

家庭を持つ女性が社会的地位を享受するには、夫の協力が必要だ。まずは今回の女性のフィールズ賞受賞を祝したい。

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