先日、アラブ系イスラエル人でキリスト教徒の友人の結婚式に出席した。結婚式はホテルのチャペルで行われた。これまで、ユダヤ教徒やイスラム教徒の結婚式に参席したことはあったが、キリスト教徒の結婚式は初めてだった。
チャペルでの厳かな挙式が終わると、結婚披露宴の会場入り口では、新郎新婦とその家族が参席者と順番にあいさつを交わしていた。美しい花嫁をエスコートしている友人は、とても頼もしく見えた。
友人の父親は、彼が6歳の時に亡くなっている。長男である彼と、弟と妹の3人をお母さんが一人で育ててきた。40歳を過ぎての結婚なので、これまでさぞかしお母さんは気をもんでいたことだろう。年下の気立ての良さそうなお嫁さんをもらって、やっと一安心といったところだ。
披露宴の会場には、着席ビュッフェ形式で豪華な食事が用意されていた。羊肉の串焼きなどアラブ料理に加え、グリルしたエビや、イカのトマト煮など、あまり他の結婚式では食べたことがない料理が並んでいた。巻き寿司(ずし)や焼きそばを目にした時は、さすが日本好きの友人が選んだメニューだと感心した。
大音量で伝統音楽をかけ男女が分かれて深夜まで踊るイスラム教徒やユダヤ教正統派の結婚式とは異なり、バイオリン奏者が生演奏をしながら、にこやかに各テーブルを満遍なく回って楽しませてくれた。
新郎新婦は、イスラエルにある和風ホテルで数日間を過ごした後、新婚旅行で海外に行くという。友人の新しい門出に乾杯。(M)