【上昇気流】(2022年7月6日)

KDDIの通信障害を伝える街頭ビジョンのニュース=2日午後、東京都渋谷区

危機管理の対象となる「危機」の共通点は①予知することが極めて難しく、突然にやってくる②予想の規模を超えている③平時の考え方では対応できない(志方俊之・帝京大名誉教授)。

最大で全国3915万回線に影響を与えたKDDIの大規模通信障害。メンテナンス作業過程で設備障害が起き全国に波及していったという。同社の高橋誠社長は「事故につながると想定できなかった」と。

予知することが極めて難しかったということだが、政府は通信業界に対し昨年のNTTドコモの通信障害などの教訓を企業間で共有するよう要請していた。当事者が「想定外の事故」を強調するようでは、安全性阻害要因の連鎖を断ち切る視点について、スムーズな情報交換はなかったのだろう。

原発事故などの場合も、各国、各企業とも事故の大小にかかわらず分析資料などを外に漏らさないようにする傾向が強い。

航空機産業もそうだが、ただ航空機の場合、事故が起きれば最悪、人命が損なわれる。それで今日、大抵の機体に誤作動があってもより安全な状態に移行できるシステム(フェールセーフ)が組み込まれた。

同産業は情報隠蔽(いんぺい)の傾向が特に強いが、一方で事故対策については設計、開発の段階で講じるべきだという考え方が業界で共通に定着してきている。安全対策は経営に直結するので微細に公開しにくいだろうが、わが国の金融、通信業界は危機管理で情報共有の範を示してほしい。

spot_img
Google Translate »