ウクライナ危機とフランス人の心 フランスから

フランス人の人生観を表す言葉に「セ・ラ・ヴィ」という決まり文句がある。意味は「人生そんなもの」「仕方がない」という半分諦め気味の悲観的表現。しかし、長年筆者がフランス人を観察してきたことからいえば、この言葉は我慢できる段階を意味する。

ウクライナにロシア軍が侵攻した2月、フランス人は早速強い連帯を示した。近所の友人、マリアレーヌさんは早速、市役所に電話し、避難民受け入れの方法を聞いた。衣類や食べ物の支援物資を送るための人道支援団体が立ち上がり、多くのフランス人は積極的に取り組んできた。

4カ月以上が経(た)ち、今度はフランスの物価が高騰し、日常生活に影響が出始め「セ・ラ・ヴィ」という言葉が聞かれるようになった。「戦争中なんだし、ウクライナの人のことを考えたら生活が多少苦しくても仕方ない」とフランス人の友人たちは言う。

ところが最近、「こんな状況をいつまでも続けられない」「そもそもウクライナにだって問題はある」という手厳しい声が聞こえる。欧州外交評議会(ECFR)の6月の世論調査では「ロシアにのみ責任がある」と考えているフランス人は62%で、ウクライナや欧州、米国にも責任があると答えたのは18%だった。経済的困難に襲われる中、「セ・ラ・ヴィ」が「(状況は)コンプリケ(複雑)」へと変わりつつある。「結果はどうであれ、戦争は早く終わってほしい。われわれにも限界はある」という声を最近よく聞くようになった。(A)

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