【上昇気流】(2022年6月28日)

強い日差しの中、日傘を差して歩く人たち=27日午後、東京・銀座

気象庁は九州南部、東海、関東甲信の梅雨明けを発表した。いずれも平年より2週間以上早く、関東甲信は観測史上最も早い梅雨明けとなった。梅雨の期間は平年は1カ月以上あるが、今年は東海が13日間、九州南部が16日間、関東甲信が21日間だった。

じめじめと鬱陶(うっとう)しい梅雨は嫌いだったが、気温の上昇が激しい最近は梅雨も悪くないと思うようになった。そんな人は少なくないだろう。

テレビのニュースでは、高齢の女性が「6月でこんなに暑くて、真夏になったらどうなるのかしら」と不安げに語っていた。東京では昨日午後3時までに、熱中症の疑いで80人、埼玉県では94人が病院に救急搬送された。

東京電力エリアでは「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」が出されているが、熱中症予防のポイントであるエアコンの利用を止めることはできない。熱中症への警戒が叫ばれる中でも、外を歩くとマスクをした人が大半だ。マスク着用に関する政府見解が浸透していないのが分かる。厚生労働省のフォローはほとんどない。

梅雨が短く雨量が少ないと、夏の水不足も心配だ。西日本では渇水対策が必要になるかもしれないという。一方、気象庁の異常気象情報センターは「戻り梅雨」もあり得るとし、集中豪雨への警戒を緩めないよう呼び掛けている。

この季節、晴れても降っても大変な時代となった。地球温暖化で昔の季節感覚が通用しなくなっていることを肝に銘じ、用心を怠らないようにしたい。

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