マスク着用義務めぐり対立 フィリピンから

フィリピン国内では新型コロナウイルス感染はほぼ収束状態にあり、かなりの規制が緩和され人々の生活は元に戻りつつある。しかしここにきて地方政府と中央政府が、マスク着用をめぐり激しい対立を繰り広げている。

このほどフィリピン中部セブ州のガルシア知事は、屋外でのマスク着用義務を廃止する条例案を提出し、州議会で可決させた。これに対し、内務自治省はマスク着用義務は中央政府によって決定されるものだと主張し、国家警察にマスク着用を守らない者を引き続き逮捕するよう命じた。

現地の州警察は中央政府と地方自治体の板挟み状態となり、マスク着用義務廃止を支持する発言をした州警察幹部が更迭されるなど混乱も広がった。

セブ州と中央政府が対立したのはこれが初めてではない。以前も海外からの入国者の検疫措置をめぐり、帰国者の経済的な負担を軽減するため施設隔離を廃止したセブ州に対し、中央政府がストップをかける事態があった。

マスクの問題をめぐってはセブ州の中でも意見は割れており、経済の中心地であるセブ市の市長は、地方とは人口密集など状況が違うとして引き続き屋外でもマスク着用を求める意向を示している。

フィリピンでは地方自治体の権限が強く、このように中央政府と対立することは珍しくない。これは地方ごとに言葉が違うなど、独自の文化が色濃く残る島嶼(とうしょ)国フィリピンの特徴でもある。(F)