太陽熱で温かいシャワー イスラエルから

イスラエルには、日本のように湯船に漬かる習慣がない。欧米と同じようにシャワーが一般的だ。

イスラエルに来て最初の頃、エルサレム市内のアパートに住んでいたが、日本にいた時と同じ感覚で、入浴時は湯船にお湯をためて疲れを癒やしていた。

ある日、市役所から通知が届き、水道使用量が多過ぎるという警告を受けた。その後、多額の水道料金請求書が来た。なんでも、ある一定の量を超えると、水道料金が高額に跳ね上がるという。それ以来、泣く泣く湯船に漬かるのは諦め、ごくまれに死海のほとりにあるスパに行って疲れを癒やすことにした。

イスラエルでは、ほとんどの住宅の屋根やアパートの屋上に、太陽熱温水器が設置してある光景を目にする。昼間に灼熱(しゃくねつ)の太陽で温められたお湯で、いつでもシャワーが使える。さすがに、冬場は気温が下がり日照も減るので、電気ボイラーで追い焚(だ)きする必要があるが、3、4カ月の間だけだ。現在、イスラエルの世帯の約9割が、太陽熱温水器を使用しているという。

中高生の頃は、朝シャンをしようとすると、ボイラーをつけなければならないので、よく親に電気の無駄遣いだと小言をいわれたものだ。朝から晩までいつでも温かいシャワーが使えるうちの娘たちは、うらやましい限りだ。かくいう私も、すっかりシャワーは朝派になってしまった。

海水を飲料水に変える淡水化技術を発展させてから、イスラエルは以前ほど水の使い方をうるさく言うこともなくなった。(M)