読みたい本があると、かつては図書館をよく利用していた。趣味が読書だったので、一館だけではなく、数館で限度数まで借りて、読み切れずそのまま返しに行ったこともある。
さすがに複数の図書館を利用していると、自宅から遠い場所は自然に足が遠のいた。その上、最近は新型コロナウイルスの感染拡大や施設の改装などもあって行く機会が全く無くなってしまった。
そんな図書館の一つに東京・杉並区立中央図書館がある。通っていたころ、不思議に思ったことがある。一つは、図書館の傍にある小さな公園にひっそりと立つガンジーの像。夏になると、公園では涼を求めて本を読んでいる姿が見られた。
もう一つは、図書館の入り口の植え込みに小さなバラが数本植えられていたこと。不思議に思ってプレートを見ると「アンネのバラ」という説明があった。『アンネの日記』のアンネのことだとは分かったが、なぜここに植えられたのかは謎だった。
バラは園芸家が品種改良してアンネに捧(ささ)げられたものだが、それが巡り巡って日本に贈られたもの。ここに植えられるようになったのは、2014年に図書館で『アンネの日記』破損事件があったため。杉並区では全図書館に植えられることになったのである。
杉並区立中央図書館はリニューアルのためにしばらく閉館していたが、20年9月に開館の運びとなった。きょうは1942年に日記が書き始められた日で「アンネの日記の日」。